痛みや動きの制限が生じる腱鞘炎!主な原因と対策について

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腱鞘炎は、手首や指の腱とその周りを覆う腱鞘に炎症が起こることで、痛みや腫れ、動きの制限が生じる状態です。スマートフォンの普及やパソコン作業の増加により、近年は老若男女問わず腱鞘炎に悩む人が増えています。

腱鞘炎の主な原因

腱鞘炎の主な原因は、特定の動作の繰り返しによる腱への過度な負担です。

①スマートフォンの使いすぎ

特に親指を酷使する操作は、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎の一種)のリスクを高めます。

②パソコン作業

マウスやキーボードの操作は短時間で何度も屈伸させる動作です。腱と腱鞘の摩擦が増え、手首や指への負担が大きくなります。

③スポーツや楽器の演奏

テニス、ゴルフ、野球などのスポーツや、ピアノ、ギターなどの楽器演奏も、特定の腱を酷使するため腱鞘炎の原因になります。

④育児

育児は、腱を休ませる暇がないほどの繰り返し作業です。赤ちゃんの抱っこやおむつ替えなど、手首や腕に負担がかかる動作が多いです。

⑤家事

料理や掃除など、繰り返しの作業は、同じ手首や指の動きを何十回、何百回と繰り返します。家事は、途中で中断することが難しく、作業が長時間に及ぶことが多いのも負担を増す要因です。

⑥加齢やホルモンバランスの変化

更年期の女性が腱鞘炎になりやすい傾向があるのは、主に「女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少」が、腱や関節を守る組織に直接的な影響を与えるためです。

これは、単なる「年のせい」や「使いすぎ」だけではなく、ホルモンの変動による体の内部環境の変化が大きく関わっていることが分かっています。

腱鞘炎の症状

腱鞘炎の主な症状は以下の通りです。

①痛み

指や手首を動かしたときに痛みを感じます。特に、特定の動きで強い痛みが出ることがあります。

②腫れ

炎症が起こっている部分が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。

③しびれ

炎症が神経を圧迫することで、しびれが生じることもあります。

④動かしにくさ

痛みや腫れのために、指や手首が動かしにくくなることがあります。

⑤弾発現象(ばね指)

指を曲げ伸ばしする際に、カクッと引っかかったり、ばねのように跳ねたりする現象です。これは腱鞘が厚くなり、腱の滑りが悪くなることで起こります。

腱鞘炎の予防と対策

腱鞘炎を予防し、悪化させないためには、以下の点に注意しましょう。

①安静にする

痛みを感じたら、まずは原因となっている動作を控え、患部を休ませることが重要です。サポーターやテーピングで固定するのも効果的です。

②アイシング

腱鞘炎で炎症が起きている(急性期で腫れや熱を持っている)場合、冷やすことは「炎症の拡大を抑え、腫れを軽減する」と同時に「痛みの感覚を一時的に鈍らせる」という両面から、つらい症状を和らげるのに有効です。

③ストレッチやマッサージ

症状が落ち着いてきたら、手首や指のストレッチ、前腕のマッサージなどで血行を促進し、筋肉の柔軟性を保つことが大切です。

④正しい姿勢と動作

パソコン作業やスマートフォンの使用時には、正しい姿勢を意識し、手首に負担がかからないような工夫をしましょう。エルゴノミクスデザインのマウスやキーボードを使用するのも良いでしょう。

⑤休憩をこまめにとる

長時間同じ作業を続けるのは避け、定期的に休憩を取り、手首や指を休ませるようにしましょう。定期的な休憩は、腱鞘炎の「原因(摩擦・圧迫)」を取り除き、「症状の悪化(疲労・炎症)」を防ぐための、最も簡単で効果的なセルフケアなのです。

⑥温める

慢性的な痛みには、温めることで血行を促進し、痛みを緩和できる場合があります。

⑦医療機関の受診

痛みが続く場合や症状が改善しない場合は、早めに整形外科を受診しましょう。診断に基づき、内服薬、湿布、ステロイド注射、リハビリテーション、重症の場合は手術なども検討されます。

さいごに

腱鞘炎は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。早期の対策と適切なケアで、つらい症状を和らげ、快適な毎日を取り戻しましょう。

 

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