「足の長さが違うから、体のいろんなところに不調が出てるんですよ」
もしかしたら、整体やマッサージ、骨盤矯正に行ったときに、こんなことを言われた経験があるかもしれません。
言われたときは、「なるほど!」と納得したものの、少し時間が経ってから「本当にそうなのかな?」って、ふと疑問に思ったことはありませんか?
今回は、この言葉がどこまで本当で、どこまでが営業トークなのか、僕なりの考えを正直にお話ししたいと思います。
「足の長さが違う」って、どういうこと?
まず、大前提として、完全に左右対称な人間なんていません。
顔も、腕の長さも、足の長さだって、よく見れば左右で微妙に違います。生まれつきの骨格の差もありますし、普段の生活での癖、例えば「いつも同じ足を組んでしまう」とか「片方の肩ばかりにバッグをかける」といったことでも、体のバランスは変わってきます。
だから、「足の長さが違う」というのは、実は多くの人に当てはまることなんです。
身体の不調の原因は本当に「足の長さの差」だけ?
では、本題の「足の長さが違うと体に不調が出る」についてです。
結論から言うと、これは**半分本当で、半分は「原因の一つに過ぎない」**というのが僕の考えです。
足の長さに大きな差があれば、例えば5cmも違えば、それは間違いなく歩き方や姿勢に影響が出て、腰や膝に負担がかかるでしょう。これは整形外科的な問題として、医療の専門家が判断することになります。
しかし、ほとんどの場合は、数ミリから1cm程度のわずかな差です。
この程度の差で、腰痛や肩こり、頭痛など、さまざまな体の不調がすべて説明できるかというと、それは少し言いすぎかもしれません。
というのも、人間の体は、多少のズレならうまく調整しながら動けるようにできています。
むしろ、体の不調の多くは、普段の姿勢の悪さや運動不足、筋肉の使い方の偏りといった、もっと身近なことが原因になっていることが多いんです。
なぜ、「足の長さが違う」と言われるのか?
では、なぜ整体や治療院などで「足の長さが違う」と言われるのでしょうか?
これは、相手に納得してもらいやすい、分かりやすい説明だからです。
「あなたの腰痛の原因は、筋肉のバランスが悪くて、骨盤が歪んでいるからですよ」と言われるよりも、「あなたの足の長さが〇cm違います。だから、体が歪んで腰痛になっているんです」と言われた方が、より具体的な原因として捉えやすいですよね。
もちろん、悪意があるわけではなく、分かりやすく説明しようとした結果、そういう言い方になることが多いのだと思います。
ただ、中には「足の長さを整えれば、あなたの体の不調はすべて解決しますよ」といった話に持っていくための、一種の営業トークとして使われるケースも残念ながらあります。
大切なのは、どう「動かすか」
結局のところ、大切なのは**「足の長さが違う」という事実以上に、その結果として体がどのように歪み、どういう癖がついているか**です。
そして、その歪みや癖を改善するために、どんな運動が必要か、どんなケアをすればいいかを知ること。
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