前回は、腰痛を慢性化させない!安静は逆効果?日常生活で役立つ動作チェックリストをご紹介しました。
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今回は、痛みが落ち着いた後、腰痛の再発を防ぎ、体幹(インナーマッスル)を安定させるための、簡単で効果的なエクササイズとストレッチをご紹介します。
これらのエクササイズは、コルセットのように腰を支える筋肉を鍛えたり、硬くなった股関節や背骨の動きを滑らかにしたりするのに役立ちます。
1. 基礎中の基礎:天然コルセットを起動させる「ドローイン」
ドローインは、腰の最も深部にあるインナーマッスル**「腹横筋」**を働かせるための基本のエクササイズです。この筋肉は、体幹を安定させる天然のコルセットのような役割を果たします。
| 目的 | 腹横筋(インナーマッスル)の強化 |
| 体勢 | 仰向けになり、膝を軽く立てます。 |
| 方法 | 1. 息を大きく吸い、お腹を膨らませます。 2. ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるようにお腹を最大限に薄くへこませます。 3. お腹をへこませた状態をキープしたまま、浅い呼吸を10秒間続けます。 4. これを3〜5回繰り返します。 |
| ポイント | 腹筋に力を入れるというより、「お腹の空気を全て絞り出す」イメージで行うと、腹横筋が働きやすくなります。 |
2. 背骨の柔軟性を取り戻す「キャット&カウ(猫のポーズ)」
「動くこと」が大切な腰痛対策において、背骨の柔軟性を保つことは非常に重要です。このポーズは、背骨一つ一つを意識的に動かすことを促し、腰回りの血行を改善します。
| 目的 | 背骨の柔軟性向上、多裂筋(インナーマッスル)の活性化 |
| 体勢 | 四つん這いになります。(手は肩幅、膝は股関節の真下) |
| 方法 | (キャット/丸める) 1. 息を吐きながら、おへそを覗き込むように、腰から背中全体をゆっくりと丸めます(天井に突き上げるイメージ)。 (カウ/反らせる) 2. 息を吸いながら、今度は背骨をゆっくりと反らせ、目線を軽く天井に向けます。お腹側を気持ちよく伸ばします。 3. この動作を、呼吸に合わせて5〜10回繰り返します。 |
| ポイント | 勢いをつけず、背骨の骨一つ一つを丁寧に動かすイメージで行います。痛みを感じる手前で止めましょう。 |
3. バランス能力を高め腰を安定させる「バードドッグ」
日常生活で体を動かした際に、腰がブレないように安定させる力を養うエクササイズです。
| 目的 | 体幹の安定性、バランス能力の向上 |
| 体勢 | 四つん這いになり、ドローインでお腹に軽く力を入れておきます。 |
| 方法 | 1. 息を吐きながら、右手と左足(対角の手足)を同時にゆっくりと床と平行になるまで伸ばします。 2. このとき、腰が反ったり、体が左右に傾いたりしないように、体幹を一直線に保ちます。 3. 2〜3秒キープした後、ゆっくりと元に戻します。 4. 反対側の手足も同様に行います。左右交互に10往復を目安に行います。 |
| ポイント | 高く上げることよりも、体がブレないことを最優先にしてください。鏡でフォームを確認しながら行うのがおすすめです。 |
🧘♂️ 硬くなりやすい筋肉を緩めるストレッチ
体幹と並んで、腰痛に大きく関わるのが**股関節周り(特に臀部や太ももの裏)**の筋肉です。これらを緩めることで、腰への負担を軽減します。
1. 膝抱え込みストレッチ
硬くなった腰背部の筋肉を優しく伸ばします。
方法
仰向けに寝て、両膝を胸にゆっくりと引き寄せ、両手で抱え込みます。痛みが気持ちいいと感じる範囲で15〜20秒間キープし、深呼吸をします。
2. 股関節(お尻)のストレッチ
お尻の筋肉(大臀筋)を緩めることは、腰痛の再発防止に非常に効果的です。
方法
仰向けに寝て、片方の足首をもう一方の太ももの上に乗せます(数字の「4」を作るイメージ)。下にきた足の膝を両手で抱えて胸に引き寄せます。お尻の奥が伸びるのを感じながら20秒間キープし、左右行います。
エクササイズを行う際の注意点
- 痛みのない範囲で
必ず「気持ちいい」と感じる範囲で行い、痛みを感じたらすぐに中止してください。 - 呼吸を止めない
エクササイズ中は、常にゆっくりと深い呼吸を意識しましょう。 - 毎日続ける
これらの運動は負荷が低い分、継続することが最も重要です。朝晩のルーティンに取り入れましょう。
無理なく運動を継続し、動くことのできるしなやかで強い腰を作っていきましょう。


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