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骨盤が歪む歪まない論争:本当のところはどうなの?

ひとりごと
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「骨盤が歪んでいる」という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

美容や健康雑誌、テレビなどでもよく耳にするこのフレーズ。

「骨盤の歪みを整えましょう!」という謳い文句を目にするたびに、「私の骨盤も歪んでいるのかな?」「本当に歪むことなんてあるの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。

実は、専門家の間でもこの「骨盤の歪み」については意見が分かれており、「歪む・歪まない」論争が長年繰り広げられています。

今回は、この論争について、それぞれの主張をわかりやすく解説し、私たちがどう考えればいいのかを紐解いていきましょう。

「骨盤は歪む」派の主張

「骨盤は歪む」と主張する人々は、日常生活の習慣が骨盤の位置や角度に影響を与えると考えます。

  • 姿勢の影響
    猫背や反り腰、足を組む、片側に重心をかけるといった習慣が、骨盤を構成する骨(寛骨、仙骨など)の位置関係を微妙にずらすとされます。これにより、左右の高さが違ったり、前後に傾いたりすると考えます。
  • 筋肉のバランス
    骨盤周りの筋肉(お尻の筋肉、太ももの筋肉、腹筋など)の使い方が偏ることで、一方の筋肉が硬くなり、もう一方が弱くなるなど、筋肉のアンバランスが生じます。この筋肉の引っ張り合いが、骨盤の位置をずらす要因になると主張します。
  • 出産や怪我
    出産時に骨盤が開くことや、怪我によって骨盤周りの靭帯や筋肉がダメージを受けることも、歪みの原因として挙げられます。

この考え方では、骨盤の「位置や向き」がズレることを「歪み」と表現し、それが腰痛や肩こり、冷え、むくみといった不調につながると考えます。

そして、整体やエクササイズで筋肉のバランスを整え、骨盤の位置を正しい状態に戻すことが重要だと説きます。

「骨盤は歪まない」派の主張

一方、「骨盤は歪まない」と主張する人々は、解剖学的な見地からこの説に異を唱えます。

  • 強固な構造
    骨盤は、身体の土台として体重を支える非常に頑丈な構造をしています。複数の骨が強靭な靭帯でガッチリと結合されており、日常生活で簡単に位置が変わるような柔な構造ではないとします。
  • レントゲンやMRIでの確認
    多くの専門家は、レントゲンやMRIなどの画像診断で**「誰が見ても明らかな骨のズレ」はほとんど確認できない**と指摘します。もちろん、重度の怪我や病気の場合は別ですが、一般的な生活習慣で骨の位置が大きく変わることはないと考えます。

この考え方では、**「骨自体が物理的にズレることはない」**とします。では、なぜ「歪み」を感じる人がいるのでしょうか?

結局、私たちはどう考えればいいのか?

両者の主張を聞くと、頭が混乱してしまいますよね。この論争を理解する上で重要なのは、「歪み」という言葉の定義にあるのかもしれません。

  • 「歪む」派が言う**「歪み」**は、骨そのものが物理的にズレるというよりは、**骨盤の「位置や傾き」「筋肉のアンバランス」**といった機能的な状態を指していると解釈できます。
  • 「歪まない」派が言う**「歪まない」**は、骨自体の物理的な構造が簡単に変わることはないという、より厳密な解剖学的な事実に基づいています。

つまり、言葉の定義が違うだけで、両者の主張は必ずしも対立しているわけではないのです。

大切なのは、「骨の物理的なズレ」にこだわるのではなく、日々の姿勢や生活習慣によって生じる「筋肉のアンバランス」や「関節の動きの悪さ」に目を向けることです。

長時間のデスクワークで前屈みになりがちだったり、スマホを触る時間が長かったりすると、骨盤周りの筋肉は硬くなったり、弱くなったりしてしまいます。これが結果的に、「骨盤が歪んでいるように感じる」状態、つまり不調のサインとして現れるのです。

まとめ

「骨盤が歪む・歪まない」という言葉に一喜一憂するのではなく、自分の体の状態を客観的に見つめることが大切です。

  • 骨の物理的なズレ:日常生活で大きく変わることはない。
  • 機能的な状態(歪み):姿勢や筋肉のアンバランスによって生じる。

腰痛や肩こり、むくみなどの不調がある場合は、「骨盤が歪んでいるからだ!」と決めつけるのではなく、**「もしかしたら、姿勢や筋肉の使い方の偏りが原因かも?」**と考えてみましょう。

そして、その不調を改善するためには、正しい姿勢を意識したり、ストレッチや適度な運動で筋肉のバランスを整えたりすることが効果的です。

あなたの「歪み」の原因は、もしかしたら日々の小さな習慣の中にあるのかもしれません。

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