鏡の前に立った時、なんだかお腹が出ているように見える、腰がいつも痛い、ヒールを履くと腰が疲れる…もし心当たりがあるなら、それは「反り腰」が原因かもしれません。
反り腰は、見た目だけでなく、腰痛をはじめとする様々な体の不調を引き起こす姿勢の歪みです。
今回は、反り腰の主な原因と、それによって起こりやすい症状、そして改善のためのヒントをお伝えします。
あなたは反り腰? 簡単セルフチェック!
まずは、自分が反り腰かどうかを簡単にチェックしてみましょう。
壁に背中を向けて立ち、かかと、お尻、背中(肩甲骨あたり)、後頭部を壁につけます。
その状態で、腰と壁の間に手のひらを入れてみてください。
手のひらがスッと入る、あるいは手のひら2枚分以上入る場合、反り腰の可能性が高いです。
手のひらがギリギリ入る、または入らない場合、理想的な腰のカーブです。
なぜ「反り腰」になってしまうの? 主な原因
反り腰になる原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることが多いです。
体幹(インナーマッスル)の筋力不足
特に、お腹を凹ませて腰を安定させる役割を持つ腹横筋というインナーマッスルが弱いと、お腹が前に出てしまい、そのバランスを取ろうとして腰が反りやすくなります。また、お尻の筋肉(臀筋)が弱いことも、骨盤が前傾し、反り腰につながることがあります。
股関節周りの筋肉の硬さ
股関節前面の筋肉(腸腰筋、大腿直筋など)の硬さ
デスクワークなどで座っている時間が長いと、これらの筋肉が常に縮んだ状態になり、硬くなります。その結果、立ち上がった時に股関節が十分に伸びず、腰を反らせることで体を起こそうとしてしまいます。
太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)の硬さ
ハムストリングスが硬いと、骨盤を後ろに引っ張る力が強くなり、バランスを取るために腰が過剰に反る場合があります。
姿勢の癖と生活習慣
長時間の立ち仕事・・・不安定なヒールを履いたり、お腹を突き出すように立つ癖がある人。
ヒールをよく履く・・・ヒールを履くと重心が前方に移動するため、バランスを取るために腰を反らせる癖がつきやすいです。
猫背・・・猫背の姿勢を正そうとして、無理に胸を張りすぎると、結果的に腰が反ってしまうことがあります。
出っ尻を気にする・・・お尻を引いて見せようとすると、腰が反ってしまうことがあります。
妊娠・出産・・・妊娠中はお腹が大きくなることで腰が反りやすくなり、出産後も腹筋が弱くなっているため反り腰になりやすいです。
呼吸が浅い・・・腹式呼吸が十分にできていないと、お腹のインナーマッスルがうまく使えず、体幹の安定性が損なわれて反り腰につながることがあります。
反り腰が引き起こす体の不調
単なる姿勢の問題と軽視できないのが反り腰です。放っておくと、以下のような不調を引き起こす可能性があります。
腰痛・・・腰椎に常に負担がかかるため、慢性的な腰痛の原因となります。
お腹のポッコリ・・・骨盤が前傾し、内臓が前に押し出されるため、実際よりもお腹が出ているように見えます。
お尻が垂れる・・・お尻の筋肉(特に大臀筋)がうまく使われず、形が崩れることがあります。
股関節の痛み・・・股関節に不自然なストレスがかかり、痛みが生じることがあります。
太ももやふくらはぎの張り・・・腰が反ることで、太ももの前側やふくらはぎの筋肉が過剰に使われ、張りやむくみの原因となることがあります。
肩こり・首こり・・・全身のバランスが崩れるため、肩や首にも負担がかかります。
疲労感・・・正しい姿勢を保つために余計な力が必要となるため、疲れやすくなります。
反り腰改善のためのヒント
反り腰を改善するためには、以下の3つのポイントが重要です。
腹筋(特にインナーマッスル)を強化する
ドローイン・・・息を吐きながらお腹をへこませ、その状態をキープするトレーニング。どこでも簡単にできます。
プランク・・・体幹を一直線に保つ体勢。腹筋だけでなく、全身の安定性を高めます。
股関節周りの柔軟性を高める
腸腰筋のストレッチ・・・片膝立ちになり、前足に重心を移動させて、後ろ足の股関節の付け根を伸ばします。
ハムストリングスのストレッチ・・・仰向けに寝て、片足を天井に上げて膝裏をゆっくり伸ばします。
正しい姿勢を意識する
立つ時・・・お腹を軽く引き締め、骨盤をやや後傾させる意識で、腰の反りを和らげましょう。かかとに重心をかけすぎず、足裏全体で地面を踏むように立ちます。
座る時・・・骨盤を立てて座り、背もたれにもたれすぎないように意識します。長時間座りっぱなしを避け、こまめに立ち上がって体を動かしましょう。
呼吸・・・日常的に腹式呼吸を意識し、深い呼吸を心がけることで、インナーマッスルを活性化させます。
まとめ
反り腰は、日々の姿勢や生活習慣の積み重ねによって作られるものです。しかし、原因を知り、地道に改善に取り組むことで、腰痛などの不調を和らげ、健康な体を取り戻すことができます。
まずは、今日からできるストレッチや筋力トレーニング、そして正しい姿勢の意識から始めてみましょう。
もし、痛みが強い場合や、セルフケアだけでは改善しない場合は、整形外科や理学療法士、整体院などの専門家に相談することをおすすめします。
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