骨は硬い組織ですが、実は生きていて、古い骨を壊し(骨吸収)、新しい骨を作る(骨形成)というサイクルを繰り返しています。
これが骨のリモデリングです。
運動を継続することが骨の成長にとって良いのは、骨が常に刺激に反応して「作り替え」を行っているからです。
1. 骨に「負荷」が記憶される
骨は、重力や運動による物理的な**負荷(力学的ストレス)**を感じると、「この負荷に耐えるために、もっと強くならなければ!」と判断します。
この判断に基づき、骨を強化する細胞(骨芽細胞)が活性化され、カルシウムなどを取り込んで骨密度を高めたり、骨を太くしたりします。
2. 成長ホルモンの分泌促進
運動、特に継続的な運動は、骨の成長を促す成長ホルモンや、骨を丈夫にする**IGF-I(インスリン様成長因子-1)**などの分泌を促します。
これらのホルモンは、骨端線(成長軟骨)での新しい骨の形成を助け、全身の骨の成長をサポートします。
3. 「刺激の定着」
一度運動しただけでは、その刺激は一時的なもので終わってしまいます。
しかし、毎日継続することで、骨は「この負荷は日常的にかかるものだ」と認識し、それに対応できるような恒常的な強化へと向かいます。
この積み重ねが、将来的に最大骨量(一生のうちで最も骨密度が高くなる量)をより高くすることにつながります。
4. 血流の改善
継続的な運動は、骨を含む全身の血流を良くします。血流が良くなると、骨の材料となるカルシウムや、それを吸収・利用するためのビタミンDなどの栄養素が、骨端線や骨全体に効率よく運ばれるようになります。
まとめ
成長期における運動の継続は、単に体力をつけるだけでなく、骨のリモデリングを効率的に行わせ、成長ホルモンの分泌を安定して促すために非常に重要です。
- 単発的な運動:一時的な活性化
- 継続的な運動:骨の恒常的な強化と、成長に必要な環境の維持
とお考えください。
小さな刺激でも毎日コツコツと積み重ねることが、丈夫で健康な骨を作るための最大の秘訣です。


コメント