「つらい肩こりには、肩甲骨はがしが良い」
そんな情報を元に、ご自身でストレッチをしたり、マッサージ店に通ったりしている方は多いのではないでしょうか。
確かに、肩甲骨はがしは一時的にスッキリして気持ちが良いですよね。
しかし、
「すぐにまた元のつらい状態に戻ってしまう」
「マッサージがだんだん効かなくなってきた気がする」
こんなお悩みはありませんか?
もしあなたが慢性的な肩こりに悩んでいて、肩甲骨はがしだけを繰り返しているなら、それは根本的な原因にアプローチできていないサインかもしれません。
なぜ「肩甲骨はがし」だけでは足りないのか?
肩甲骨はがしは、肩甲骨周りに張り付いた筋肉をゆるめ、血行を促進することで一時的に肩を楽にする効果が期待できます。
しかし、多くの場合、肩甲骨周りがガチガチに固まる原因は、もっと別の場所にあります。
それは、長時間のデスクワークやスマホ操作によって引き起こされる「巻き肩」や「猫背」といった姿勢の乱れです。
この姿勢が続くと、
- 体の前側(胸や脇)の筋肉は縮こまって硬くなり、
- 体の後ろ側(背中や肩)の筋肉は常に引き伸ばされて弱ってしまいます。
肩甲骨はがしは、この「引き伸ばされて悲鳴を上げている後ろ側の筋肉」を一時的にゆるめるアプローチです。
しかし、根本原因である「縮こまって硬くなった前側の筋肉」や、その姿勢を生み出す体全体の歪みがそのままであれば、すぐにまた背中側の筋肉は引っ張られ、こりは再発してしまうのです。
肩こりの本当の原因は、体の「土台」の歪みにあった!
では、なぜ巻き肩や猫背になってしまうのでしょうか。その大きな原因の一つが、**体の土台である「骨盤の歪み」**です。
骨盤が後ろに傾いたり、左右に歪んだりすると、その上に乗っている背骨のバランスも崩れてしまいます。体は倒れないように無意識に頭を前に出すことでバランスを取ろうとするため、結果として猫背や巻き肩の姿勢が常態化してしまうのです。
つまり、骨盤という土台が傾いている限り、いくら上半身だけをケアしても、肩や首にかかる負担は根本的には解消されません。つらい肩こりから解放されるには、骨盤から体全体のバランスを整えるという視点が不可欠なのです。
今日からできる!根本改善のための骨盤ケアポイント3選
専門的な骨盤矯正はプロに任せるとして、まずはご自身の体への意識を変えることから始めてみましょう。
ケアのポイント1:胸を開くストレッチ
縮こまった体の前面を解放し、肩が正しい位置に戻りやすい状態を作りましょう。
【やり方】
壁の横に立ち、片方の手のひらから肘までを壁につけます。体をゆっくりと壁から離すように前にひねり、胸や肩の前側が心地よく伸びるのを感じながら20秒キープします。反対側も同様に行いましょう。
ケアのポイント2:骨盤を「立てる」座り方
日常生活で最も長く過ごす「座り姿勢」を見直すことが、骨盤ケアの第一歩です。
【やり方】
椅子に深く腰掛け、お尻の下にある2つの硬い骨(坐骨)に均等に体重が乗るのを感じます。その坐骨の上に、背骨を一本一本積み上げていくようなイメージで、スーッと上半身を伸ばします。これが「骨盤が立った」状態です。
ケアのポイント3:お腹の深層筋を意識する
骨盤を安定させるためには、天然のコルセットであるインナーマッスル(腹横筋など)を働かせることが重要です。
【やり方】
息を鼻から吸ってお腹を膨らませ、口から「ふーっ」と細く長く息を吐き切ります。この時、おへその下あたりが硬くなるのを意識しましょう。この「お腹に軽く力を入れた状態」を意識して生活するだけでも、骨盤は安定しやすくなります。
専門家によるアプローチで、長年の悩みから解放へ
セルフケアを続けてもなかなか改善しない、あるいは自分の体の歪みがどうなっているのか正確に知りたい、という方は、一度専門家に相談することをおすすめします。
専門家はあなたの体の歪みのパターンを正確に見極め、なぜ肩こりが起きているのか、その根本原因に対して的確なアプローチを行います。
長年のつらい肩こりは、もう仕方がないと諦める必要はありません。体の土台から見直すことで、あなたの体はもっと軽やかに、快適になる可能性を秘めています。

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