妊娠後期に入り、大きくなるお腹の重みで腰が重く、痛くてつらい…。
「これも妊娠中だから仕方ないのかな」「骨盤が歪んでいるのかな?」と不安になりますよね。
もしかしたら、その腰痛は骨盤の歪みや体の歪みが関係しているかもしれません。
今回は、妊娠中に腰痛が起こる原因と、その腰痛を放置しておくとどうなるのか、そしてご自宅で簡単にできるセルフケア方法を3つご紹介します。
妊娠中に腰痛が起こる原因は?
妊娠後期に腰痛が強くなるのは、お腹が大きくなることと深く関係しています。
1. 姿勢の変化
お腹が大きくなると、重心が前に移動します。この時、バランスを取ろうと無意識に体を反らせるような姿勢になりがちです。
この反り腰の姿勢は、背骨や骨盤周りの筋肉に過度な負担をかけ、腰痛を引き起こします。
2. ホルモンの影響
妊娠中は「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは、出産時に赤ちゃんが骨盤を通りやすくするために、骨盤周りのじん帯や関節を緩める働きがあります。
しかし、この働きによって骨盤が不安定になり、歪みやすくなることで腰痛を引き起こすことがあります。
3. 筋力の低下
妊娠後期は運動量が減り、腹筋や体幹の筋肉が弱くなりがちです。これらの筋肉は、体を支え、正しい姿勢を保つためにとても重要です。
筋力が低下すると、腰への負担が増え、腰痛の原因になります。
そのままにしておくとどうなる?
「妊娠中の腰痛は仕方ない」と放置してしまうと、以下のようなトラブルにつながることがあります。
- 痛みの悪化
放置すると、腰痛が慢性化し、日常生活に支障をきたすほど悪化する可能性があります。 - 歩行時のふらつき
骨盤の歪みが進行すると、歩行時のバランスが悪くなり、転倒のリスクが高まることがあります。 - 産後の不調
骨盤の歪みが大きいままだと、出産後に腰痛や股関節痛、尿漏れなどの不調につながることがあります。
悩みを解決するセルフケア3選
ご自宅で簡単にできるセルフケアで、つらい腰痛を和らげ、骨盤を安定させましょう。
1. 骨盤周りをほぐす「ねこストレッチ」
背中を丸めたり反らしたりすることで、骨盤周りの筋肉を柔らかくするストレッチです。
腰痛の緩和だけでなく、リラックス効果も期待できます。
やり方
- 四つん這いになり、肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるようにします。
- 息を吐きながら背中をゆっくりと丸めます。おへそを覗き込むように意識します。
- 息を吸いながら背中をゆっくりと反らせ、目線を少し上げます。
- この動きをゆっくりと5〜10回繰り返します。
2. 骨盤を安定させる「ヒップリフト」
お尻や太ももの裏側の筋肉を鍛え、骨盤を支える力を高めます。
やり方
- 仰向けになり、膝を立てます。両足は肩幅に開きます。
- 息を吐きながら、お尻をゆっくりと持ち上げます。肩から膝までが一直線になるように意識します。
- 持ち上げた状態で3〜5秒キープし、息を吸いながらゆっくりとお尻を下ろします。
- この動きを5〜10回繰り返します。
3. 骨盤を支える「骨盤ベルト」の活用
骨盤ベルトは、緩んだ骨盤を安定させ、腰への負担を軽減するのに役立ちます。
正しく装着することで、姿勢がよくなり、痛みの緩和につながります。
装着のポイント
- 骨盤の一番出っ張っている骨(ASIS)と、お尻のでっぱり(大転子)を結ぶ位置に巻くのが一般的です。
- 下着の上から直接肌に触れないように装着しましょう。
- 座るときや寝るときは緩めるか外すようにしましょう。
まとめ
妊娠中の腰痛は、お腹の大きさやホルモンの影響で骨盤が不安定になることが主な原因です。
今回ご紹介したセルフケアは、つらい腰痛を和らげるだけでなく、産後の体の回復にも役立ちます。
痛みを感じたときは無理をせず、まずはご自身の体と向き合ってみましょう。
もし痛みが強い場合や不安なことがあれば、かかりつけの産婦人科医や専門家にご相談ください。
無理のない範囲で、快適なマタニティライフをお過ごしください。
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