PR

【腱鞘炎】更年期の女性はがホルモンバランスの変化により腱鞘炎になりやすい傾向があるのはなぜ?

肩の痛み・肩こり
記事内に広告が含まれています。

更年期の女性が腱鞘炎になりやすい傾向があるのは、主に**「女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少」**が、腱や関節を守る組織に直接的な影響を与えるためです。

これは、単なる「年のせい」や「使いすぎ」だけではなく、ホルモンの変動による体の内部環境の変化が大きく関わっていることが分かっています。

1. エストロゲンによる「腱の保護作用」の低下

女性ホルモンであるエストロゲンには、整形外科領域において非常に重要な以下の保護作用があります。

抗炎症作用(腫れ・むくみの抑制)

エストロゲンは、関節や腱の周りを覆う**滑膜(かつまく)**という組織に作用し、炎症を抑えたり、組織のむくみを抑制したりする働きを持っています。

組織の柔軟性・潤滑性の維持

エストロゲンは、腱や腱鞘(腱のトンネル)の組織を柔軟に保ち、腱の滑りを良くする潤滑液(滑液)の分泌にも関与しています。

更年期(平均45~55歳頃)に入ると、卵巣機能の低下により、このエストロゲンの分泌量が急激に減少します。

エストロゲンの減少
①腱や腱鞘の組織が硬くなり、滑りが悪くなる。
②炎症やむくみを抑える作用が低下する

その結果、腱と腱鞘との摩擦が増加し、わずかな負担や繰り返し動作でも炎症が起こりやすくなり、腱鞘炎(特にばね指やドケルバン病)を発症しやすくなります。

2. 関節周囲組織の不安定化

エストロゲンの低下は、腱鞘炎だけでなく、手指の他の不調(変形性関節症)とも深く関わっています。

関節の不安定化

エストロゲンは、骨だけでなく、靭帯や軟骨の健康にも関わっています。減少することで、手指の関節周囲の組織が弱くなり、より大きなストレスを受けやすくなります。

血行不良

エストロゲンは手指の血管を拡張して血流を良くする作用もありますが、その作用が低下することで、腱や関節周囲の血行が悪化し、疲労物質が溜まりやすく、痛みやこわばりを感じやすくなります。

まとめ

更年期の女性は、家事や仕事で手を使う「使いすぎ」という要因に加え、エストロゲンの減少による「腱や関節の防御機能の低下」という内部要因が重なるため、腱鞘炎のリスクが高くなるのです。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました