先日、ある人から言われたお話、本当に色々と考えるきっかけになりますよね。
「捻挫をして、病院に行ってもギプス巻いて終わり!だから、怪我をしたら、福岡の凄腕の先生のとこ行けば、痛みはあるけど、試合に立たせる事はできる。」
「君は一発でそこまでできる?年数がまだないから、無理だろうね」
悪気はないのかもしれないけど、なんかね、ムカッときちゃいますよね。でも、そういう言葉を言われると、改めて自分の考えを整理できるから、いいことだよなーって、私も思います。
言われてる瞬間を除けば、ですけどね(笑)。
一発で治すことの難しさ、そして危険性
治療家として、一発で治した経験も少なからずありますよね。でも、数回かかることのほうが多いのも事実です。それに、その症状が得意かどうかも関係しますしね。
話は戻りますが、その「凄腕の先生」と僕との違いは、治療の目的にあるんだなーって思います。
どんな怪我でも、治して試合に出させます!という目的は、一見するとカッコいいし、患者さんの期待に応えているように見えますよね。
でも、病院がギプスを巻くのには、ちゃんとした理由があります。それは、骨に影響があるかもしれないから。
骨折しているかもしれないのに、無理に試合に出させるなんて、大人でも危険なことです。ましてや、それが小学生だとしたら、なおさらですよね。
「子どもは痛くても痛くないって言うし、我慢するから、子どもの治療が一番難しい」という風に教わりました。この言葉を心に留めているからこそ、「安易に試合に出させる」という選択ができないんですよね。
「できない」と答える勇気
もし「ギプスを巻いているような状態でも、治療して一発でコートに立たせる事ができますか?」と聞かれたら、きっと「できません!」と答えるでしょう。それは、無責任な治療をしないという事だと思います。
痛みを押して無理にプレーをさせたら、成長障害や後遺症が残ってしまい、その子の競技人生が短くなってしまうかもしれません。そんなリスクを冒すよりも、きちんと治してから、長く楽しくスポーツを続けてほしいという気持ちもあるかもしれません。
治療において最も大切なこと
これは治療も同じですよね。
毎日や数日間隔で来院していれば、前回の状態がある程度わかります。でも、3週間も空いたら、身体の状況は変わっているのが当たり前です。
「前回はこれで良くなったから、今回も同じことしましょう」ではなく、その時の状態をしっかり把握した上で、説明や提案をすること。これは、治療をする上で最も大切なことですよね。
忙しい時ほど、面倒なことを省きたくなりますが、その「面倒なこと」の中にこそ、患者さんにとって大事な情報が隠れているものです。
リラクゼーションであれば、「あなたのことはわかっていますから、お任せください!」でもいいかもしれません。でも、本当に「治療」をしたいのであれば、相手の身体の状態を丁寧に把握することが何よりも重要ですよね。
私もあなたの考えにとても共感しました。当たり前なことですが、当たり前のことを当たり前にやるのが、一番難しいことなのかもしれませんね。
でわでわ。
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