前回は、【あぐらで簡単チェック】あなたの腰痛の原因は「腰」ではなく「股関節」かも?をご紹介させていただきました。
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【あぐらで簡単チェック】あなたの腰痛の原因は「腰」ではなく「股関節」かも?
腰が痛いからといって、必ずしも痛みの原因が「腰」にあるとは限りません。近年、腰痛の診療において注目されているのが、股関節...
今回は、股関節性の腰痛に特化し、硬くなりがちな股関節周りの主要な筋肉を効果的に緩めるリリーフストレッチを3つご紹介します。
関連記事:リリーフストレッチとは?
どのストレッチも、前回同様に「痛みのない範囲で、ゆっくり」行うことが重要です。
股関節性の腰痛で硬くなっているのは主に以下の筋肉です。
- お尻の外側(殿筋群・外旋筋)
股関節の動きをサポートしますが、硬くなると腰を引っ張ります。 - 太ももの裏(ハムストリングス)
硬くなると骨盤を後ろに引っ張り、腰に負担をかけます。 - 股関節の付け根(腸腰筋)
デスクワークなどで縮みやすく、骨盤の安定性を乱します。
これらの筋肉にアプローチするストレッチを行いましょう。
1. 椅子でできる「お尻の外側(殿筋)ストレッチ」
前回チェックした**「あぐらが開きにくい側の股関節」**のお尻の外側を重点的に伸ばします。座ってできるため、仕事の休憩中などにもおすすめです。
| 目的 | 臀筋群・股関節の外旋筋の柔軟性向上 |
| 体勢 | 安定した椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。 |
| 方法 | 1. 伸ばしたい側の足首を、もう一方の膝の上に乗せます。(数字の「4」を作る形) 2. 背筋を伸ばしたまま、息をゆっくり吐きながら、胸を膝に向かって前に倒していきます。 3. お尻の外側(特に、足首を乗せている側)に伸びを感じたら、30秒間キープします。 4. 左右を入れ替えて同様に行います。 |
| ポイント | 背中が丸まるとお尻が伸びないので、**「背筋を伸ばしたままお辞儀をする」**ように体を倒しましょう。 |
2. 寝ながらできる「太ももの裏(ハムストリングス)ストレッチ」
太ももの裏の柔軟性が失われると、立ったり前屈したりする動作の際に腰が過度に丸まってしまいます。
| 目的 | ハムストリングスの柔軟性向上、骨盤安定化 |
| 体勢 | 仰向けに寝ます。 |
| 方法 | 1. 片膝を曲げて抱え込み、もう一方の脚は床にまっすぐ伸ばします。 2. 抱え込んだ足の太ももの裏、または膝の裏あたりに両手を回し、膝をできるだけ伸ばしながら足を天井に向けて上げます。 3. 太ももの裏に心地よい伸びを感じる場所で20〜30秒間キープします。 4. 左右を入れ替えて同様に行います。 |
| ポイント | 膝を無理に伸ばしきろうとせず、伸びを感じるところで止めましょう。腰が反りすぎないよう、お腹に軽く力を入れておくのがコツです。 |
3. 立ってできる「股関節の付け根(腸腰筋)ストレッチ」
長時間座っていることが多い方は、股関節の付け根にある腸腰筋が縮こまっています。ここを伸ばすことで、骨盤が正しい位置に戻りやすくなります。
| 目的 | 腸腰筋の柔軟性向上、骨盤の前傾(反り腰)対策 |
| 体勢 | 片膝立ちになります。(壁や椅子に手を添えてもOK) |
| 方法 | 1. 伸ばしたい側(主に後ろ足の付け根)の膝を床につけ、前足の膝を90度に曲げます。 2. 上半身をまっすぐ立てたまま、ゆっくりと重心を前方に移動させます。 3. 後ろ足側の**股関節の付け根(太ももの前と下腹部の境目あたり)**が伸びるのを感じたら、30秒間キープします。 4. 左右の足を入れ替えて同様に行います。 |
| ポイント | 腰を反らしてしまうと、付け根が伸びません。お尻を軽く締めるように意識すると、骨盤が安定し、付け根の筋肉が効果的に伸びます。 |
これらのストレッチと、前回ご紹介した「ドローイン」「バードドッグ」などの体幹安定化エクササイズを組み合わせることで、再発しにくいしなやかな体幹を目指しましょう。

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