「ちょっと難しいって言われちゃった…」
そう言われると、なんだかショックですよね。でも、それはあなたが一生懸命、たくさんの「基礎」を伝えようとした証拠です。
「基礎を話す」ことと「わかりやすく伝える」ことは、実は全然違うんです。今日はその違いを、一緒に考えてみましょう。
なぜ「基礎を話す」と「伝える」は違うの?
想像してみてください。あなたは、サッカーのプロ選手になるための**「基礎」**を学ぶとします。
- ボールの蹴り方
- 走るフォーム
- パスの出し方
- ドリブルの仕方
これらはすべて、サッカー選手にとって欠かせない大切な「基礎」です。コーチは、その**「基礎」**を、専門用語をたくさん使いながら教えてくれます。
「足首を固定して、インステップでボールの中心を捉えろ!」
「膝を柔らかく使って、重心を低く保て!」
これは、まさに「基礎を話す」ことです。プロの選手や、サッカーをよく知っている人には、これで通じます。でも、サッカーを始めたばかりの小学生が、いきなりこれを言われたらどうでしょう?
「インステップって何?」
「重心を低くするってどういうこと?」
きっと、頭の上にハテナマークが浮かんでしまいますよね。
「わかりやすく伝える」ってどういうこと?
では、「わかりやすく伝える」とは、どういうことなのでしょうか?
それは、**「相手の頭の中に、イメージを描いてあげること」**です。
さっきのサッカーの例で考えてみましょう。
「インステップでボールの中心を捉えろ!」
これを小学生に伝えるなら、こう言い換えることができます。
「ボールの真ん中を、足の甲の一番固いところで、ギュッと蹴るんだよ!」
**「インステップ」という難しい言葉を、「足の甲の一番固いところ」**という、誰にでもわかる言葉に変えています。
そして、「ギュッと蹴る」というオノマトペ(擬音語)を使うことで、力強く蹴る様子が頭の中にイメージしやすくなります。
このように、相手がすでに知っている言葉や、身近な例を使って説明することで、あなたの話がスッと心に入ってきます。
「伝わる」までの3つのステップ
どうすれば、難しいこともわかりやすく伝えられるようになるのでしょう?
それは、3つのステップで考えてみましょう。
ステップ①:インプット(情報を取り込む)
まずは、たくさんの情報を頭の中に入れます。専門書を読んだり、詳しい人に話を聞いたり、とことん調べてみましょう。この段階では、難しい言葉がたくさん出てきても大丈夫です。
ステップ②:整理する(頭の中でまとめる)
入ってきた情報を、頭の中でバラバラにして、もう一度組み立て直す作業です。
「この話で一番大切なことは何だろう?」
「この専門用語は、何に例えたらわかりやすいだろう?」
まるで、ジグソーパズルを解くように、頭の中で情報を整理し、ひとつの大きな絵(イメージ)を作り上げます。
ステップ③:アウトプット(専門用語を使わずに説明する)
頭の中で完成したイメージを、今度は言葉にして外に出す作業です。この時、「小学生に話すつもり」で、専門用語を一切使わないように心がけてみましょう。
「〇〇って、〇〇みたいだよね!」
「もし〇〇だとしたら、どうなると思う?」
「まずはこれを、こうしてみよう!」
こんなふうに、相手に問いかけたり、一緒に考えたりするような言葉で話すと、さらに伝わりやすくなります。
難しいことを「わかった!」と言ってもらえるのは、本当に嬉しいことです。
ぜひ、この3つのステップを試してみてくださいね!
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