整体院に行くと、初めての先生に「何年くらいこの仕事されてるんですか?」と尋ねる人は少なくないと思います。中には「資格は持っていますか?」なんて聞かれることも。
聞かれた整体師の先生は、「はい、もう〇〇年になります」とか、「資格は〇〇を持っています」と答えるでしょう。
でも、この「歴〇〇年」という言葉に、僕自身は少し複雑な気持ちになることがあります。
経験年数がコンプレックスだった頃
僕がこの仕事を始めたばかりの頃、やはりお客さんから「何年やっているの?」と聞かれると、正直なところ、経験年数が短いことがコンプレックスでした。
「デビューしてまだ数ヶ月です」と正直に答えて、お客さんに不安を与えてしまわないか? 指名してもらえなくなるんじゃないか?そんなことを考えてしまい、つい「もう3年になります」と、少しごまかして答えてしまうこともありました。
この気持ち、同じようにこの道で頑張っている方なら、少しは共感してもらえるのではないでしょうか。
大切なのは「経験年数」よりも「今」
でも、ある時気づいたんです。お客さんが知りたいのは、本当に「何年やっているか」だけではないんだと。
もちろん、経験年数は技術の習熟度を測る一つの目安にはなります。しかし、それ以上に大切なのは、**「目の前のお客さんの身体を良くしたい」という想いと、そのための「今の技術」**だと、今は強く感じています。
経験年数が長いベテランの先生でも、慢心があったり、新しい知識を学んでいなかったりすれば、必ずしも良い施術ができるとは限りません。
一方で、経験は浅くても、お客さんの悩みに真摯に向き合い、最新の知識や技術を貪欲に吸収している先生の施術は、お客さんに心からの安心感を与えられます。
「歴〇〇年」という言葉の先にあるもの
僕にとって「歴〇〇年」は、もはや単なる数字ではありません。それは、多くのお客さんとの出会いであり、一つ一つの施術で積み重ねてきた学びの証です。そして、何よりも、デビューしたばかりの頃に抱えていた不安を乗り越え、今の自分があることを示す誇りでもあります。
もし、あなたが整体師として経験が浅いことに不安を感じているなら、ごまかす必要は全くありません。あなたの**「お客さんを良くしたい」という情熱は、経験年数という数字をはるかに超える価値**を持っています。
自信を持って、目の前のお客さんと向き合ってください。その真摯な姿勢は必ず伝わり、経験年数以上に信頼される整体師になれるはずです。
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