「出産してからくしゃみや咳をすると、つい尿が漏れてしまう…」
「急に走ったり、子どもを抱き上げたりするときにヒヤッとすることが増えた」
「骨盤底筋トレーニングを試してみるけど、正しいやり方が分からなくて効果を感じられない」
「このまま尿漏れが続くのかと思うと、外出も億劫になる…」
そんな風に悩んでいませんか?
産後の尿漏れは多くの方が経験する、決して珍しいことではありません。でも、諦める必要はありません。
この記事では、産後の尿漏れの根本的な原因と、体の歪みとの意外な関係性、そして今日からすぐに始められる効果的なセルフケアまで、分かりやすくご紹介します。
なぜ産後、尿漏れが起こるの? 骨盤の歪みとの意外な関係性
産後の尿漏れは、主に骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の機能低下が原因で起こります。骨盤底筋群とは、骨盤の底にあるハンモック状の筋肉の集まりで、子宮や膀胱、直腸などの臓器を支える重要な役割を担っています。
妊娠中、お腹が大きくなるにつれて骨盤底筋群には大きな負担がかかります。さらに、出産時には赤ちゃんが産道を通る際に、この筋肉や周りの組織が引き伸ばされ、損傷を受けることがあります。
その結果、筋肉が緩み、うまく機能しなくなることで尿道が締まらず、尿漏れが起こりやすくなるのです。
さらに、骨盤の歪みも尿漏れに深く関係しています。出産を終えた骨盤は、緩んだ状態のままであることが多く、産後の姿勢や育児での体の使い方によって歪みやすくなります。
骨盤が歪むと、その上にある骨盤底筋群も正しい位置からずれてしまい、さらに機能が低下してしまう悪循環に陥るのです。
尿漏れをそのままにするとどうなる?
「みんなも経験しているみたいだし、そのうち治るかな…」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、尿漏れをそのままにしておくと、以下のようなさらなる不調につながる可能性があります。
- 腰痛や股関節痛の悪化
骨盤底筋が弱ると、骨盤を支える力が低下するため、姿勢が悪くなり、腰や股関節に負担がかかりやすくなります。 - ぽっこりお腹
骨盤底筋はお腹のインナーマッスルとも連動しているため、この筋肉が弱ると腹圧がうまくかからず、お腹がたるみやすくなります。 - 尿漏れが悪化し、行動が制限される
尿漏れを気にして外出をためらったり、好きな運動を諦めたりするなど、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
尿漏れを根本から解決するセルフケア3選
ここでは、尿漏れの原因である骨盤底筋の機能回復と骨盤の歪み改善に焦点を当てた、効果的なセルフケアを3つご紹介します。
1. 基本の「骨盤底筋トレーニング」
正しい骨盤底筋トレーニングは、尿漏れ改善の要です。意識すべきは、尿道を締める感覚です。
- 仰向けに寝て膝を立て、リラックスした状態になります。
- 息をゆっくり吸いながら、お尻の穴と膣、尿道のあたりを、内側に引き上げるようにきゅっと締めます。
- そのまま5秒間キープします。この時、お腹や太ももに力が入らないように注意しましょう。
- ゆっくり息を吐きながら、力を緩めます。
- これを10回〜20回繰り返します。
2. 骨盤の歪みを整える「骨盤ストレッチ」
骨盤を支えるお尻の筋肉を柔らかくすることで、骨盤が正しい位置に戻りやすくなります。
- 床に座り、両膝を立てます。
- 左足のくるぶしを、右足の太ももに乗せます。
- 上半身をゆっくり前に倒し、左のお尻が伸びるのを感じながら30秒キープします。
- 足を入れ替えて同様に行います。
3. 姿勢を意識する「座り方チェック」
普段の座り方も、骨盤の歪みに影響します。特に産後、授乳や抱っこで猫背になりがちです。
- 椅子に座るときは、骨盤を立てて座ることを意識しましょう。
- 背もたれにもたれかからず、お尻の坐骨(お尻の下にある硬い骨)を左右均等に感じながら座ります。
- クッションなどを腰に挟むと、正しい姿勢を保ちやすくなります。
さいごに
産後の尿漏れは、決して一人で抱え込む必要のない悩みです。骨盤底筋の緩みや骨盤の歪みといった根本原因にアプローチすることで、必ず改善が見込めます。
ご紹介したセルフケアは、毎日少しずつでも続けることが大切です。無理のない範囲で継続し、少しずつ自信を取り戻していきましょう。
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