スポーツに打ち込むお子様を持つ保護者の方にとって、怪我は最も避けたい問題の一つです。
特に成長期のお子様は、骨や関節が未発達なため、ちょっとしたことが大きな怪我につながるリスクを抱えています。
お子様の足の怪我を防ぐために、まず今日からできることとして、以下の2点を徹底しましょう。
- 適切な靴を選ぶ
- 正しく靴を履く
この「たった2つの対策」を実践するだけで、足や膝の痛みが改善するケースも少なくありません。なぜなら、サイズ違いや間違った履き方は、靴が持つ本来の怪我予防の「性能」を殺してしまうからです。
今回は、成長期の足を怪我から守るための靴選びの基準と、正しい履き方の重要性について詳しく解説します。
1. なぜ重要?靴が足を安定させるメカニズム
お子様の成長段階において、骨や関節、筋肉はまだ発達途中のため、足元は常に不安定な状態にあります。
この不安定な状態をサポートし、怪我から守るのが靴の最大の役割です。
❌ 不安定の二乗が引き起こすリスク
| 状態 | 影響 |
| 成長段階の不安定 | 子どもの骨・関節は未完成で、もともと不安定 |
| 靴による不安定 | サイズや履き方が不適切で、靴の性能が活きない |
| = | 不安定の二乗 |
この「不安定の二乗」の状態とは、足元が常にフラフラしているようなものです。大人では土台を骨盤と見なしますが、子どもの体にとっての土台は「足元」です。
建物の土台が不安定だと建物が壊れやすいように、足元が不安定だと体は大きな負担を受け、さまざまな怪我を引き起こします。
【起こりやすいスポーツ障害の例】
- 足首の捻挫
- かかとの痛み(シーバー病など)
- 膝の痛み(オスグッド・シュラッター病など)
- 外反母趾や扁平足といった足部の変形
成長による不安定さは変えられませんが、「物による不安定さ」、つまり靴に関する問題は、今日からすぐに改善できます。
2. 怪我を防ぐ!キッズシューズを選ぶべき3つの基準
特に運動用やスポーツ用のキッズシューズを選ぶ際は、以下の3つの機能が備わっているかを確認してください。良いシューズは、この3つの機能により、「大事な関節は安定させつつ、動きを制限せずに動かしやすい」状態を作り出します。
✅ キッズシューズを選ぶ3つの基準
| 基準 | なぜ必要か(理由) | チェックポイント |
| ① かかと(ヒールカウンター)が硬い | 足首の安定性を高め、着地時のブレを防ぐため。 | 靴のかかと部分を親指で押しても、簡単につぶれない硬さがあるか。 |
| ② 足先だけが曲がる | 蹴り出しに必要なつま先部分だけが曲がることで、足の自然な動きを妨げず、土踏まずは安定させるため。 | 靴の底を両手で持ち、つま先側のみが曲がり、中央部分は曲がりにくいか。 |
| ③ ねじれにくい | 走行や着地時の不自然なねじれ運動を制限し、足への負担や怪我を防ぐため。 | 靴の底を雑巾絞りのように両手でねじっても、簡単にはねじれないか。 |
3. 靴の性能を100%活かす!正しい履き方
どんなに良い靴でも、履き方が間違っていると「不安定の二乗」を招きます。以下の「ダメな履き方」をしていないかチェックし、正しい方法で足を安定させましょう。
❌ 絶対に避けたい「ダメな履き方」
- 大きめの靴を履く
「すぐ大きくなるから」と大きなサイズを選ぶと、靴の中で足が滑り、靴本来の安定性が失われます。 - 靴紐(マジックテープ)を緩く締める
緩いと靴と足が一体化せず、足首が不安定になります。 - かかとを潰して履く
かかと部分の硬い構造(ヒールカウンター)が台無しになり、足首がグラグラになります。
✅ 正しい靴の履き方の手順
- かかとを合わせる
靴に足を入れたら、かかとを床に軽くトントンと打ち付け、靴のかかと部分にしっかりと合わせます。 - 指の付け根で締める
まず、足の甲の最も指に近い部分の紐やマジックテープからしっかりと締めます。 - 足首を締める
次に、足首に近い部分の紐やマジックテープも、緩みがないようにしっかりと締めます。 - 紐は「蝶結び」で固定
紐タイプの場合は、運動中に解けないようしっかりと蝶結びで固定します。
💡 靴紐とマジックテープの使い分け:
安定性を重視するなら、紐タイプが理想的です。マジックテープタイプの場合でも、手間を惜しまず、必ずすべてのテープを足の甲に沿ってしっかりと密着させて締めるようにしましょう。
お子様の足への負担は、小さな努力で大きく軽減できます。
ぜひ今日から「適切な靴選び」と「正しい履き方」を実践し、成長期のお子様を怪我から守りましょう。


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