骨盤底筋ってどんな役割があるの?
骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのように広がる筋肉群です。この筋肉には、主に次の2つの大切な役割があります。
- 内臓を支える
膀胱、子宮、直腸などの内臓が下がらないように、下からしっかり支えています。 - 排泄のコントロール
尿道や肛門を締める働き(尿を我慢したり、便を我慢したりする働き)を担っています。
この筋肉が元気でいることで、私たちは安心して日常生活を送ることができるんです。
なぜ骨盤底筋が弱ると尿漏れが起こるの?
尿漏れ(尿失禁)の多くは、この骨盤底筋の弱まりと深く関係しています。
骨盤底筋が弱くなると、尿道をしっかり締める力が弱くなってしまいます。その結果、特に「お腹に力が入る瞬間」に尿が漏れやすくなります。
尿漏れの主な種類と骨盤底筋の関係
尿漏れの中でも、骨盤底筋の弱さが原因となるのは主に次のタイプです。
腹圧性尿失禁
原因
咳、くしゃみ、大笑い、重いものを持ち上げるなど、お腹に「腹圧」がかかった時に、尿道を締める力がそれに耐えきれず、尿が漏れてしまいます。
骨盤底筋との関係
骨盤底筋が弱くなることで、尿道がグラグラしてしまい、腹圧に負けてしまうのが主な原因です。女性の尿漏れで最も多いタイプと言われています。
切迫性尿失禁
原因
急に強い尿意を感じ、「トイレまで我慢できない!」と漏れてしまうタイプです。膀胱が過敏になることなどが原因ですが、骨盤底筋の機能低下も影響している場合があります。
骨盤底筋が弱くなる原因は何?
骨盤底筋は、以下のような様々な要因でダメージを受け、弱くなってしまうことがあります。
- 妊娠・出産:妊娠中は赤ちゃんの重みで、出産時には分娩のいきみで、骨盤底筋や靭帯が大きく引き伸ばされ、ダメージを受けやすいです。
- 加齢:年齢とともに全身の筋肉量が低下し、骨盤底筋も例外なく衰えていきます。
- 肥満:体重が増えると、常に骨盤底筋に強い圧力がかかり続けます。
- 慢性的な咳や便秘:頻繁に強い腹圧がかかることで、骨盤底筋に負担がかかります。
対策:骨盤底筋を鍛えて尿漏れを予防・改善しよう
尿漏れの予防や改善に最も効果的で最初に行うべき対策が、**骨盤底筋体操(ケーゲル体操)**です。
骨盤底筋体操のやり方(基本編)
- リラックス
仰向けに寝る、椅子に座る、立ったままなど、どこでもできます。体の力を抜いてリラックスしましょう。 - 締める
「おしっこを途中で我慢する時」や「おならを我慢する時」のように、肛門と膣(尿道)をキュッと引き締めるように力を入れます。 - キープ
締めた状態を5秒〜10秒キープします。この時、お腹やお尻に力が入らないように注意し、骨盤底筋だけを使っていることを意識しましょう。 - 緩める
ゆっくりと力を緩めて、5秒〜10秒リラックスします。 - 繰り返し
「締める→キープ→緩める」を10回を1セットとして、1日に数セット(例:朝・昼・晩に1セットずつ)を目標に続けます。
💡ポイント
- 効果を実感するには、毎日続けることが何より大切です。
- 2〜3ヶ月で効果が見え始めることが多いので、焦らず習慣にしましょう。
まとめ
骨盤底筋は、内臓を支え、尿道を締めるという大切な役割を担っています。この筋肉が弱ると、咳やくしゃみなどで尿が漏れてしまう腹圧性尿失禁などの症状を引き起こす原因になります。
日々の生活で、意識して骨盤底筋を鍛える体操を取り入れることで、尿漏れの予防や改善が期待できます。
「体操が正しくできているか不安…」
「他にどんな対策があるか知りたい」
といったお悩みがあれば、専門の医療機関に相談してみるのも良いですよ。


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