「よし!運動するぞ!」と意気込んで体を動かしたはいいものの、翌日、いや翌々日には「あいたたた…」と動くのがつらいほどの痛みに襲われた経験、ありませんか?
特に普段運動しない方が急に体を動かしたり、久しぶりにハードな運動をしたりすると、この「運動後の痛み」はつきものですよね。
この痛み、「頑張った証拠!」とポジティブに捉えることもできますが、実はその種類によっては体からのSOSである可能性も。
今回は、運動後の体の痛みの正体と、その対処法、そして安全に運動を続けるためのヒントをお伝えします。
運動後の「痛み」の正体は?
運動後に感じる痛みには、大きく分けて2つの種類があります。
筋肉痛(遅発性筋肉痛)
運動後、数時間~数日経ってから現れる筋肉の痛み。これが「筋肉痛」です。
原因
普段使わない筋肉を強く使ったり、負荷の高い運動をしたりすることで、筋繊維に微細な損傷が起こり、その修復過程で炎症が生じることが原因と言われています。
特徴
筋肉を押すと痛む、特定の動作で痛む、だるさや重さを感じる、など。一般的には2~3日でピークを迎え、その後徐々に軽減します。
対処法
軽いストレッチ、ぬるめのお風呂での入浴、十分な休息と栄養摂取(特にタンパク質)。血行を促進することが回復を早めます。
これは、筋肉が修復され、より強く成長しようとしているサイン。「頑張った証拠」と言える痛みです。
怪我による痛み
筋肉痛と異なり、関節や靭帯、腱などに異常が起きている可能性のある痛みです。
原因
準備運動不足、フォームの乱れ、過度な負荷、無理な体勢での運動など。
特徴
運動中や直後から激しい痛みがある、特定の場所に鋭い痛みがある、腫れや熱を持っている、痛みが数日経っても引かない、安静にしていても痛む、など。
対処法
すぐに運動を中止し、RICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)を行う。痛みが続く場合は、整形外科などの医療機関をすぐに受診してください。
これは、「危険信号」!放置すると慢性化したり、重症化したりする可能性があります。
危険信号かも?こんな痛みには要注意!
以下のような症状がある場合は、筋肉痛ではない怪我の可能性が高いです。無理をせず、専門家に見てもらいましょう。
関節の痛み(膝、足首、肩など)
特に体重をかけると痛む、曲げ伸ばしで痛むなど。
特定の場所にピンポイントの鋭い痛み
押すと激痛が走るなど。
腫れや熱感がある
患部が赤く腫れて熱を持っている。
痺れがある
手足に痺れを感じる。
痛みが長期間続く
1週間以上痛みが引かない。
安静にしていても痛む
夜間や起床時に痛みが強い。
痛みを軽減し、安全に運動を続けるためのヒント
せっかく運動を始めたのに、痛みで挫折してしまうのはもったいないですよね。安全に、そして楽しく運動を続けるために、以下のポイントを意識しましょう。
準備運動とクールダウンを欠かさない!
準備運動(ウォーミングアップ)
軽い有酸素運動(ウォーキングなど)で体を温め、動かす部位のストレッチをゆっくり行い、筋肉や関節を運動できる状態にしましょう。
クールダウン
運動後も、使った筋肉を中心にゆっくりとストレッチを行い、疲労物質の排出を促し、筋肉の緊張を和らげましょう。
無理のない範囲で、少しずつ負荷を上げる
「急がば回れ」です。特に運動初心者の方は、いきなり高い負荷をかけたり、長時間運動したりしないようにしましょう。
- まずはウォーキングから始めてみる。
- 筋力トレーニングなら、軽い負荷で回数を多くから始める。
- 徐々に時間や回数、負荷を増やしていくことで、体が無理なく適応していきます。
正しいフォームを身につける
運動の種類によっては、間違ったフォームで行うと特定の部位に負担が集中し、怪我の原因になります。
- YouTubeなどの動画を参考にしたり、ジムのトレーナーや専門家から指導を受けたりして、正しいフォームを身につけましょう。
- 鏡を見ながら自分のフォームをチェックするのも有効です。
十分な休息と栄養補給
運動によって損傷した筋肉は、休息中に修復されます。
- 質の良い睡眠をしっかりとりましょう。
- 筋肉の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)や、疲労回復を助けるビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しましょう。
水分補給をこまめに
運動中は汗をかくため、こまめな水分補給が重要です。脱水は筋肉の痙攣や疲労を招きやすくなります。
まとめ
運動後の痛みは、筋肉痛であれば「頑張った証拠」。でも、それが怪我のサインである可能性もあります。
特に40代、50代と年齢を重ねるごとに、体の回復力は緩やかになります。無理はせず、体の声に耳を傾け、「無理のない範囲で、継続すること」を最優先に考えましょう。
もし痛みが心配な場合は、迷わず専門家(整形外科や整骨院など)に相談してくださいね。安全に楽しく運動を続けて、健康な体を手に入れましょう!