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陸上競技における姿勢の重要性から悪い姿勢が引き起こす怪我、姿勢改善のポイントについて解説します。

整骨院

こんにちは。
鹿児島県南さつま市にある「ゆうき整骨院|Lavi(ラビ)加世田店」です。

陸上競技は、走る、跳ぶ、投げるという人間の基本的な運動能力を追求するスポーツです。

一見すると個々の動作に特化しているように見えますが、これらの動作の効率とパワーを最大限に引き出すためには、「正しい姿勢」が不可欠です。

不適切な姿勢は、パフォーマンスを阻害するだけでなく、慢性的な怪我のリスクを大幅に高めてしまいます。

今回は、陸上競技における姿勢の重要性、悪い姿勢が引き起こす具体的な怪我、そしてパフォーマンス向上に繋がる姿勢改善のポイントについて解説します。

陸上競技においてなぜ姿勢が重要なのか?

陸上競技の各イベントにおいて、正しい姿勢は以下のような多大なメリットをもたらします。

効率的な力の伝達
走る、跳ぶ、投げるという動作は、地面から得た反発力や自身の筋肉が生み出す力を、ロスなくターゲットに伝えることが重要です。正しい姿勢は、この力の連鎖(キネティックチェーン)をスムーズにし、無駄なくパワーを発揮することを可能にします。

バランスと安定性の向上
特に跳躍種目や投擲種目において、安定した姿勢は助走や踏み切り、リリース時のバランスを保ち、競技を成功させる上で不可欠です。短距離走でのスタート姿勢も同様に重要です。

呼吸の効率化
胸郭が十分に開いた正しい姿勢は、呼吸筋の働きを最大限に引き出し、より多くの酸素を効率的に取り込むことができます。これは中長距離走における持久力に直結します。

空気抵抗の最小化
スプリンターにとって、わずかな空気抵抗もタイムに影響します。前傾姿勢や頭の位置など、空気抵抗を最小限に抑える姿勢が求められます。

怪我の予防
特定の関節や筋肉に過度な負担がかかるのを防ぎ、ランニングによる慢性的な疲労骨折や、投擲による肩・肘の故障、跳躍による膝の痛みなどのリスクを軽減します。

陸上競技選手が陥りやすい姿勢の悪さとそれに伴う怪我

陸上競技の種目特性や反復練習から、以下のような姿勢の悪さやそれに伴う怪我が見られます。

猫背・巻き肩(特に投擲、短距離走)

原因
パソコンやスマートフォンの使用習慣、投擲時の反復動作、または短距離走で腕を大きく振る際に肩が前に出やすい傾向など。

怪我のリスク

肩関節インピンジメント症候群
腕を上げる、投げる動作で腱が挟まり、痛みが生じます。投擲選手に非常に多い症状です。

肩腱板損傷
繰り返しの投擲動作や、不適切なフォームで肩の腱が損傷することがあります。

首・肩のこり
肩甲骨の動きが悪くなり、慢性的なこりや痛みに繋がります。

呼吸の浅さ
胸郭が閉じることで呼吸が浅くなり、持久力に影響が出ることがあります。

反り腰(特に跳躍、中長距離走、投擲)

原因
ランニングや跳躍時の着地で腰を反らせすぎる癖、体幹(特に腹筋)の弱さ、股関節の柔軟性不足などが挙げられます。

怪我のリスク

腰椎分離症・すべり症
ランニングやジャンプ、着地時の腰への繰り返し負担が、腰椎の疲労骨折やずれを引き起こします。特に成長期に注意が必要です。

椎間板ヘルニア
腰への繰り返し負担で椎間板が損傷し、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こします。

慢性的な腰痛
常に腰に負担がかかるため、慢性的な痛みに悩まされます。

骨盤の歪み・股関節の可動域制限(全種目)

原因
左右非対称な動作(砲丸投げややり投げなど)、片足重心の癖、股関節周りの筋力・柔軟性不足など。

怪我のリスク

股関節痛・グロインペイン症候群
股関節周りの筋肉のアンバランスや使いすぎにより、鼠径部に痛みが生じます。ダッシュや跳躍動作で悪化することが多いです。

膝関節痛(ランナー膝、ジャンパー膝、オスグッド・シュラッター病など)
股関節の機能不全が膝に負担をかけ、膝関節の炎症や成長痛に繋がることがあります。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
股関節の機能不全が足への衝撃吸収を妨げ、すねの内側に痛みが走ります。

ハムストリングス(太もも裏)の肉離れ
股関節の連動が悪いと、ハムストリングスに過剰な負担がかかりやすくなります。

扁平足・足裏の痛み(足底筋膜炎)

原因
長時間のランニング、着地時の衝撃、適切なシューズ選びの不足など。

怪我のリスク

足底筋膜炎
足裏の腱に炎症が起き、かかとや土踏まずが痛みます。特に朝起きた時や運動開始時に痛みが強い傾向があります。

アキレス腱炎
足裏のアーチ機能が低下すると、アキレス腱に過度なストレスがかかることがあります。

陸上競技選手のための姿勢改善と怪我予防のポイント

陸上競技で最高のパフォーマンスを発揮し、怪我なく長く続けるためには、以下の点に意識して取り組みましょう。

基本的な「ニュートラルな姿勢」の習得

立つ、座る姿勢の意識
耳・肩・股関節・膝・くるぶしが一直線になるような意識を日常生活から持ちましょう。

体幹を意識する
お腹に軽く力を入れ、体幹を安定させます。背筋を伸ばしすぎず、自然なS字カーブを保ちます。

体幹トレーニングの強化

プランク、サイドプランク
体幹全体の安定性を高め、ランニングや投擲、跳躍の軸を強化します。

バードドッグ
腹筋と背筋のバランスを整え、体幹を安定させながら手足の動きをコントロールします。

メディシンボールを使ったエクササイズ
投擲動作やランニング時の体幹の回旋を強化します。

全身の柔軟性向上

股関節のストレッチ
開脚ストレッチ、股関節回しなど、股関節の可動域を広げ、ランニングのストライドや跳躍の力を効率的に伝えます。

肩甲骨周りのストレッチ
肩甲骨を大きく動かすストレッチ(肩回し、肩甲骨寄せなど)で、上半身の連動性を高め、腕振りの効率や投擲動作に繋げます。

ハムストリングス、大腿四頭筋、ふくらはぎのストレッチ
ランニングや跳躍で酷使される下半身の筋肉の柔軟性を保ち、肉離れなどのリスクを軽減します。

胸郭のストレッチ
胸を開くストレッチは、猫背の改善と呼吸の効率化に非常に効果的です。

競技フォームの確認と修正

動画撮影による分析
自分のランニングフォーム、跳躍の踏み切り、投擲のリリースなどを客観的に確認し、姿勢や動作の癖を見つけましょう。

専門家による指導
コーチや理学療法士、スポーツトレーナーにフォームを見てもらい、悪い癖を修正するための指導を受けましょう。特に専門的な技術が求められる種目では、専門家のアドバイスが不可欠です。

適切なシューズ選びとインソールの検討

足の形や種目の特性に合ったシューズを選ぶことで、足や膝への負担を軽減できます。

必要に応じて、オーダーメイドのインソールを使用することも、足のアーチをサポートし、姿勢改善に繋がることがあります。

まとめ

陸上競技における姿勢は、単に個人の運動能力だけでなく、パフォーマンスの限界を押し広げ、そして何よりも怪我から身を守るための重要な要素です。

日々の練習と生活の中で、意識的に正しい姿勢を心がけ、体幹の強化と全身の柔軟性の向上に取り組むことで、競技力を高めるとともに、長く陸上競技を楽しむことができるでしょう。

もし、慢性的な痛みやパフォーマンスの伸び悩みを感じているのであれば、一度ご自身の姿勢とフォームを見直してみてはいかがでしょうか。

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